タルパーとしての心得
タルパー三ヶ条
①他人に迷惑をかけない
②友人に迷惑をかけない
③家族に迷惑をかけない
…というのは半分冗談で、つまりは半分本気である。
これは当然魔術師にも言えることだし、霊能力者だったり占い師だったり、オカルトに関わる人間全般にいえる。
なんでかって言われたら、そんなんもわかんねえから迷惑がかかってんだよと顔面をグーでいきたいところだけど、ぐっとこらえて説明しよう。敢えて。
現代は、そして現代人は科学を信奉している。
スマホを持って、公共交通機関で移動して、鉄筋コンクリートの建物に住んで、電球の明かりを浴びて、農作物と畜産物を腹に入れる人間が、科学の信奉者でないのなら、この世には信奉者がいないことになるので、科学の信奉者かそうでないかは論じない。
現代人は間違いなく科学の信奉者である。
いや、回りくどいな。
もっと話を単純にしよう。
自分の親しい人間を思い浮かべて欲しい。
親しい人間がいない人は、特に迷惑もかからないだろうから、犯罪だけはせずに盛大に狂うといいさ。
例えば自分の親が、兄弟姉妹が、友人が、突然目に見えない存在と会話し始めたら、あなたはどう思うだろうか。
当然、科学の信奉者たる現代人はこう考える。
「ああ、気が狂ったんだな」
もし時代が10世紀あたりなら、神憑りや啓示だのなんだの言えたかもしれんが、21世紀の現代においては、間違いなく狂人である。
故に目に見えない存在との接触、それに関連する事項は、秘匿されなければならない。
神秘の隠匿がどうこう、触れるには格がどうこうって、中二病に厨二病を重ねたものではなく、単純にあなたが狂人だと思われないためのものだ。
もしあなたが自動車運転教習所の教官だとして、「私には目に見えないお友達がいるんです」って公言する受講者が来たとしよう。
そうなれば教官はその職責において、その受講者をやんわりと排除しなければならない。
理由は当然、そんなトンチキ野郎が爆走する鉄の箱を運転するのは危険だからだ。
さらに見方を変えよう。
自分が親だとして、かわいい(この場合のかわいいは容姿を指さない)子供が突然「私にはタルパっていう目に見えない友だちがいるの」と言い出したなら、一般的な親であればまず思うのは「何か重度のストレスを受けたのだろうか」という心配だろう。
ちょっとネットカルチャーに触れたことのある親なら「おっ、もう中二病を発症する年齢か」と思うかもしれない。
黒歴史のある親なら古傷が疼きだして「やめてくれ」と懇願するかもしれない。
以上、若干筆者の傷もえぐりながら述べたように、普通なら目に見えない存在と意思を交わすことは間違いなく狂人なのだ。
狂人と関わる羽目になってしまった親しい人のことを思えば、それはなるべく隠匿されるべきであることと、もし開示するのであれば非常に慎重になるべきことが理解できるだろう。
理解できないのであれば、マジで犯罪だけは起こさないように自由に生きてくれ。
私は知らん。
平成29年10月26日午前4時27分